リポソーム

Presome™を用いたドキソルビシン封入リポソームの調製方法

  • リポソーム
    1. Presome ACD-1に250mM (NH4)2SO4を加え、60℃で均一に分散し、多重層リポソームとします。
    2. エクストルーダーを使用し、0.2㎛、0.1㎛、0.08㎛孔径のポリカーボネートメンブレンフィルターを各5回通過させます。
    3. 限外ろ過により、リポソーム外水層の(NH4)2SO4をスクロースに変換します。
    4. ドキソルビシンを添加し、60℃で30分間インキュベーションすることによりドキソルビシンをリポソーム内水層に封入します。その後0.1 N HClまたは0.1 N NaOHを用いて、㏗6.5に調整します。
    ※Presome ACD-1 : HSPC/Cholesterol/MPEG2000-DSPE=3/1/1 (w/w)

市販リポソーム医薬品DOXIL®との比較

脂質および薬物濃度

脂質およびドキソルビシン濃度をHPLCにより定量しました。

Components Interview Form of DOXIL® Assay Values % of Total Lipid
HSPC 9.58 mg/mL 9.74 mg/mL 59.6%
Cholesterol 3.19 mg/mL 3.27 mg/mL 20.0%
MPEG2000-DSPE 3.19 mg/mL 3.33 mg/mL 20.4%
ドキソルビシン 2.00 mg/mL 2.00 mg/mL -

脂質と薬物の濃度比

  • Interview Form of DOXIL®: 0.125
  • DOXIL® from Presome ACD-1: 0.122

薬物封入率

ドキソルビシンの封入率を測定するために、得られたリポソームを超遠心しリポソーム画分を回収後、HPLCによりドキソルビシン濃度を定量しリポソームに封入されたドキソルビシン濃度を測定しました。

The percentage of encapsulated Doxorubicin in DOXIL® from Presome ACD-1: 100%

粒子径分布及びゼータ電位

得られたリポソーム液の平均粒子径、多分散指数(PDI)、ゼータ電位をMalvern Nano-ZSを用いた動的散乱光分析により測定しました。

  • リポソーム図拡大
  • 粒子径分布

    平均粒子径: 100.9± 0.9 nm
    PDI: 0.048± 0.004

    ゼータ電位

    -27.1± 0.7 mV(9% sucrose)

水和層の厚さ測定

In ζ-potential対Debye-Huckelパラメータプロット1)の近似曲線の傾きから、得られたリポソーム表面の水和層の厚さを測定しました。

NaCl Conc. (C) ζ-potential
0 M -36.05±2.20mV
0.005 M -19.36±0.25 mV
0.010 M -15.06±1.04 mV
0.015 M -12.26±1.79 mV
0.050 M -7.22±1.12 mV
0.100 M -4.75±1.14 mV

The thickness of the fixed aqueous layer of DOXIL® from Presome ACD-1 : 2.1 nm

1) K. Shimada, A. Miyagishima, Y. Sadzuka, Y. Nozawa, Y. Mochizuki, H. Ohshima and S. Hirota, Determination of the thickness of the fixed aqueous layer around polyethyleneglycol-coated liposomes. Journal of Drug Targeting, 1995, 3, 283

TEM画像

Negative staining: The samples were let to absorbed 400 mesh carbon coated grid and were put into 2% phospho tungstic acid solution (㏗7.0) for a few seconds.

Observation and imaging: The samples were observed by a transmission electron microscope (JEM-1200EX; JEOL Ltd.,) at an acceleration voltage of 80 kV. Digital images (2048x2048 pixels) were taken with a CCD camera (VELETA, Olympus Soft Imaging Solutions GmbH).

リポソーム

市販リポソーム医薬品DOXIL®との比較 まとめ

以上のように、Presomeを用いて単一膜リポソームを調製することができました。また、リポソーム内水層にほとんどの薬物を保持し、脂質・薬物組成、平均粒子径、粒子分布、水和層の厚さはDOXIL®と同等であることが示されました。
これらのことより、

Presomeを用いた場合でもDOXIL®と同等のリポソーム医薬品が製造できると考えられます。

リポソーム化デザインの流れ

※必要に応じ、2~4は、繰り返し対応いたします。

  • 1. お客様より検討ご依頼
    (必要に応じて秘密保持契約等締結)
  • 2. 弊社でリポソーム調製検討、サンプル提出
  • 3. お客様でリポソーム性能、薬効等ご評価
  • 4. 両社で結果詳細を共有
    (ご訪問、電子メール)
  • 5. 基本的な脂質組成の決定
  • 医薬品開発の推進

サポート体制

日本精化リピット事業では、自社製造の豊富な高純度リン脂質シリーズを用いて、多くのリポソームへの薬物封入を経験しています。
また、Presomeシリーズもご用意しており、お客様のニーズに合わせたサービスのご提供が可能です。

基礎研究

  • 脂質組成デザイン
  • 薬物動態試験
  • リポソーム物性・性能評価
  • リポソーム安定性評価
  • リポソーム液の商業製造検討(※1)

前臨床

  • 薬物動態試験
  • 薬効確認試験
  • 製剤安全性試験(GLP)

臨床試験

  • 治験薬製造
  • 治験の実施(治療薬GMP)
承認申請・医薬品販売
  • 最終製剤製造(GMP)

リポソーム液の商業製造検討(※1)

  • 高価なリン脂質が多種多量に必要。
    ※試薬メーカーでのDSPC 1gで66,200円
  • 粒子径制御にはExtruder(整粒装置)が必要
  • リポソーム液調製が不完全であれば本来の効果・結果が得られない。
  • フラスコ(Bangham法)でのリポソーム液調製は商業製造スケールアップが困難

リポソーム製造装置

少~中量スケールまで対応できる様々なリポソーム製造装置を所有しておりますので、お客様のリポソーム開発に対する多様なご要望にお応えいたします。

エクストルーダー
エクストルーダー(ϕ90㎜)
エクストルーダー
エクストルーダー(ϕ142㎜)
ラボスケール凍結乾燥機
ラボスケール凍結乾燥機
精密分散・乳化機
精密分散・乳化機
インラインミキサー
インラインミキサー
限外ろ過機
限外ろ過機
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